カットとショットの違いについて
映像制作の話をしていると「カット」や「ショット」という単語が飛び交っているかと思います。
【カット系の単語】
カット割り、インサートカット、ジャンプカット…
【ショット系の単語】
ワンショット、アップショット、バストショット、肩なめショット…
このカットとショットという言葉、どう違うのでしょうか?
このあたりを整理したいと思います。
▼結論
諸説あるので、決めの問題(自分でどう定義するかの問題)だと思います。
▼諸説あるようです… (マジかよ…)
文献やネット記事や論文を読み進めていくとみんな言ってることがバラバラです!
どうしたらいいんだ…
ひとまず各説をまとめます。
◎Aパターン
ショットは「カメラの録画ボタンを押して、止めるまでの映像」である。カットはそれと同義だ!という説がある。
「ショットとは、カメラを回し始めてから止めるまでの間に撮影されたひと続きの映像である。」
「カット。 ショット同じ映像断片。」
(西村安弘編著,デジカメとパソコンで出来る映画製作ワークショップ,フィルムアート社,2006,27ページおよび193ページ)
◎Bパターン
Aパターンの逆。カットは「カメラの録画ボタンを押して、止めるまでの映像」である。ショットはそれと同義だ!という説がある。
「ビデオカメラのスタートボタンを押して、ストップさせるまでのフィルムやビデオのひとくぎりをカットという。カットと混乱する言葉に、ショットという言葉があるが、これはカットとほとんど同じ内容だと考えてさしつかえない。」
(西村雄一郎,一人でもできる映画の撮り方,洋泉社,2003,86ページより)
◎Cパターン
カットとはショットに対する和製造語であるという説。
「これに対して「カット」とは、「ショット」に対する和製造語だ。」
(参考:【超簡単! いまさら人に聞けない映像用語辞典】映画通でも間違ってる人が多い!? カットは「ショット」の和製英語!, http://www.moviecollection.jp/news/detail.html?p=9029 )
◎Dパターン
ショットは「撮影によって得られたひとまとまりの映像」である。カットは「ショットから余計な部分を削ったものである」という説がある。
「ショット。 カメラの「録画ボタン」を押して切るまでのひとつながりの断片」
「カット。 切るという意味の他に、ショットの頭と尻の不要部分を切り取った後の「正味」のこと。」
(井上秀明,図解だからわかりやすい映像編集の教科書,玄光社,2007,138ページ)
「カットはシューティング(撮影)されたショットをトリミングして編集されることで生まれます。」
(岡村征夫,映像編集入門:動画を自在に操るコツ,オーム社,2010,20ページ)
◎Eパターン
カットはただの映像の一つの断片である。ショットは、その映像をどう撮ったか? つまり、映像の内容(サイズ、尺の長さ、構図、カメラワークなど)を説明する場合に使われる。…とする説。
(参考:ショットとカットのちがい, https://ameblo.jp/ryo-visuallook/entry-11247562191.html )
(参考:【アニメ】カット、シーン、シークエンスの違いの整理【映画】, https://orita-ani.net/scene-different-from-sequence/ )
▼結論
諸説あるので、決めの問題(自分でどう定義するかの問題)だと思います。
どうしようかな…
AパターンとかBパターンとかの「同義である」で学習の前半は進めちゃおうかなぁと思います。
初心者のうちはあんまり「カット」とか「ショット」みたいな言葉を気にする必要ないようにも思うし…
違いが気になったら現状を丁寧に説明してあげればいいんじゃないかと…
(個人的にはEパターンがしっくりきますが…)